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【テーマ設定の理由】
私が表具を調べようと思った理由は、研究旅行で東京表具を訪問し、表具について調
べた結果、表具についての調べ学習が足りないと思ったからです。襖や掛軸、屏風など
の歴史や特徴などをあまり調べられなかったので、もう少し詳しく調べてみたいと思い、
このテーマを設定しました。
【今までの調査】
〜
はじめに〜
@表具(表装)とは?
布や紙をはって、巻物・掛物・屏風・襖などに仕立てることで、表装ともいう。
A表具師とは?
軸物や額を作ったり、襖や屏風を仕立てたりすることを職業とする人。
B表具店とは?
痛んだ掛け軸や屏風、額などを預かり、虫食いなどを修復し、新たに鑑賞でき
るよう に表装をし、この先数十年にわたる保存を可能にするところ。また、依頼人
の書いた書 や日本画を預かって掛け軸や額、屏風などに仕上げるところでもある。
〜表具師の仕事〜
和紙を糊で何枚も貼り合わせ加湿と乾燥を繰り返して狂いなく形を作り上げて行く
仕事です。作業は、複雑微妙で経験と熟練を必要とします。そして、貴重な本紙を扱うた
め常に細心の注意が必要です。また美術に関する知識、材料・形式・配色の考案に際し
ての感覚も不可欠です。表具師は、美術品を装飾して引き立たたせ、日常生活に潤いを
与えると共に美術品に耐久性をもたせて保存を図るという大切な使命をになっています。
また、襖や障子・屏風などの建具関係の新調、修理、張り替えの仕事も行います。
ですから、一人前と認められるには十数年の経験と知識が必要です。
〜表装(表具)の歴史〜
表装が歴史の中に登場するのは、奈良・平安時代からのことです。仏教の盛んな時代
ということも背景にあって、この時代には、おもに経巻の表装が行われていました。鎌倉時
代になると、書画の表装を専門に扱う専門職が登場します。経巻の表装には、経師があたり、
はっきりと専門の区分けができていたことがよくわかります。
室町時代に なると、書院や床
の間における観賞用として仕立てられるようになりました。桃山時代に至って表具という言葉
が一般的に用いられるようになり、表具師が出現します。この時代、とくに掛物の表装が多様
化しました。こうして表装は、時代の好みや特色を色濃 く反映しながらその技術を高めつつ
現在に至っているのです。
情報収集もと http://www.daiko-web.co.jp/tisiki.htm
〜表具の発生と時代に伴う言葉の変化〜
表具がいつ頃から始まり、またいつ頃から今日見られるようなものになったか、詳しくは分
かっていません。日本の表具の始まりは中国と思われています。日本への伝承年 代は、本に
よっては仏教伝来の538年とされていますが、資料が少なく推定されるのみです。一言で表装
といっても長い歴史を経る中で各時代の生活様式や文化・芸術の違いや変化に伴い、表装も
変化してきたことは間違いありません。表装とか表具という言葉は時代とともにいろいろな言
葉が使われ、現在も、それらの言葉の多くが生きています。また、それらの言葉も時代が違えば、
必ずしも今日でいう表具師やその仕事を表す 言葉とはいえません。例えば、経師という言葉
です。今日この言葉は表具師とか表具の仕事を表しますが、奈良時代では、経本を書写する
人のことをいいました。このように、
言葉は時代とともに内容に変化があります。技術も道具も時代とともに変化し、発展していく
ものと考えられます。
〜襖について〜

@襖とは?
襖とは、日本独特の間仕切建具のことで、昔は「襖障子」と呼ばれていました。現在では、障子
と襖は別のものと区別され、襖は部屋の間仕切や押入などに使われています。襖によって部屋と
部屋、部屋と廊下などが仕切られていくという住居の形式が、8世紀頃から1000年以上もたった
今日にも及んでいます。襖の特徴は、まず軽い ことです。また、その表紙を張り替えて新しくしたり、
雰囲気を変えることができます。実用とインテリアをかねた建具として、日本の住まいに生かされて
います。
※建具→戸・障子・襖などの総称
A昔の襖
その始まりははっきりしませんが、襖は8世紀から9世紀の頃、寝殿造り内部の調度 品の中か
ら、日本独自のものとして生まれてきました。間仕切の少ない寝殿造りの内部 で襖は、防寒が第1
の条件として工夫されて作られてきたようです。当時の襖は現在の ように整っておらず、極めて簡
単な骨組みに紙や絹を張って作られていました。
B今の襖(現代住宅と襖)
襖は日本独特の優れた間仕切などとして、長い歴史と共に歩んできましたが最近の住宅からは
次第にその姿がうすれています。現代の建築様式が、畳敷きの日本間に変わ って洋間が発達し、
「壁で仕切られた個の部屋」が広がってきたためでしょう。和風と 洋風の併用された今日の住宅建
築の中で、襖の特性を生かし住宅をもっと高度に活用し、 より豊かな生活空間を作るために、これ
からの襖のあり方を考えなければなりません。
情報収集元 「襖の話」東京表具経師内装文化協会
〜障子について〜
@障子とは?
私たちは、木と深く関わりながら長い歳月をかけて日本独自の木の文化を築いてきました。障子
もこうした伝統的な文化の中からうまれてきました。しょうじの「障」は、遮る・隔てる・塞ぐ(ふさぐ)な
どの意味を持ちます。障子とは元来、縁の内側、窓、室内の境に建てる建具を総称するものでした。
障子は、平安時代から日本人の暮らしに溶け込み、豊かな文化を育んできました。これまでに様々
な素材や機能をふんだんにとり入れて来ました。和室はもちろん、洋室やホテル、マンションの内装、
高層建築など、新しい分野へと広がっています。
A現代住宅と障子
障子は現代の住まいにとって重要な働きをしています。採光面では昼間の直射日光を和らげ、
夜間には照明光を反射し照明効果を高めます。また断熱性のよい現代住宅での 保温性・断熱性も、
ガラス窓と障子を併用することにより優れた効果を得れます。「障 子=和風住宅」という意識は現代
住宅において大きな誤解があります。形状、材質、用 途など現代住宅にマッチした新しいデザインの
障子も開発されています。
B障子の特徴
1やわらかな光で部屋を包む
半透明の和紙を貼った障子は、直射日光を適度にさえぎります。見た目には日当たりの感じを残し
ながら、日光を遮るという優れた特性をもっています。障子に差し込んだ 光は、各方面に拡散し、部
屋全体を明るくします。窓際だけ明るくまぶしく、奥は薄暗 いという対照をなくします。やわらかな光で
部屋全体を包み、照明の均質度を高めます。
2自然の風合い、幾何学的なラインの美しさ
障子の素材は「木と紙」。障子は自然感あふれるインテリアです。幾何学的な美しさが、室内の空間
をきりっと引き締めます。また、貼り替えるごとに全く新しく、イメー ジの変化も楽しめます。
3夜間照明効果を高める
夜の障子は壁の一部となり、照明の光が反射し室内の照明効果を大幅にUPします。障 子紙の反射
率は50〜60%。柱や建具の色とよく調和して美しい空間をつくり出します。
4冬暖かく、夏涼しく。省エネに役立つ
障子は、日射を遮り吸収するのでガラス窓に比べ、入ってくる熱を2分の1程度に減少します。冷房時
には、日射による負荷がかなりの部分を占めているので、省エネ効果が 期待できます。暖房時には、
夜間の放射冷却を防ぎます。
5室内を快適にコントール
障子は多孔性という障子紙の特質によって、ごく自然なかたちで、換気と清浄化を行っています。
さらに吸湿性もあるため、室内の温度変化をおさえています。障子は湿度の 高い日本の住宅に適し
た建具ということです
〜屏風について〜
@屏風とは?
室内に立てて、風を防いだり物を遮るための家具です。今日、屏風というと紙のものを考えますが、
昔は木や金属のものなどもありました。起源は漢時代にあるといわれています。古代には、間仕切り
用、儀式 用として用いられましたが、中世から近代にかけては、絵画や飾りによって室内の重要 調
度となり、江戸時代からは庶民にも使われるようになりました。一般に、長方形の木 枠に紙や布を
張ったものを一つとし、繋いで折り畳めるように作られています。
情報収集元 「屏風の話」東京表具経師内装文化協会
〜掛軸について〜
@掛軸とは?
書画に竹木などの軸をつけ、壁面に掛け、垂れるように仕立てられたものを掛軸といいます。
掛軸の歴史は古く、仏教の伝来とともに伝えられたものが、最初の形態であると考えられています。
室町時代に入ると、床の間ができ、日本的な技術として大きく発展しました。また、室町末〜江戸
にかけての茶道の隆盛による影響も大きく形式も多彩になりました。このような長い歴史の中で、
掛軸は美術品・道具として、日本の文化に深く入り込んできました。日本の掛軸は、いろいろな和
紙で厚さや柔らかさを調節して作ります。また、糊の濃い・薄いといったことを、表具師の、長年の
技術と経験で判断し、ひとつひとつ丹念に作り上げます。
A床の間と掛軸
掛軸は、床の間に掛けなければいけないと思われがちですが実はそうではありません。 日本
家屋において、現在のような床の間の形が確立されたのは、室町時代に入ってから だと言われ
ています。しかし、掛軸はそれより前に存在していました。床の間がまだな い時代には、障子・壁
などにただ掛けられていたのでしょう。
B掛け軸の四季
日本には、四季があり、その時節に合った掛軸を床の間に掛けると四季の変化が感じられます。
春には梅・桜・菜の花、夏には鮎や鯉・朝顔を、秋には紅葉・桔梗や柿、冬には 寒牡丹や南天など
を掛けるのが代表的です。また、正月には日の出や松竹梅鶴亀、婚礼
には高砂法事などを掛け
たりします。年中掛けることができるものとして、山水画や四
季の草花などもあます。
このように表具はそれぞれ時代とともに
発展してきたことがわかります。
【調査を終えて】
私はこのテーマで調べ学習を終えて、わかったことがいくつかあります。
まず、表具の役割についてです。今まで表具は鑑賞したり、部屋などを仕切るために作られている
物だと思っていましたが、室内の空気の清浄や照明効果を高める、風や物 を遮るといった生活の
いろいろな場面で役立っていたということを知り驚きました。し かし、この表具も現在では、洋風の
住宅建築などの普及により姿が薄れつつあります。 このような表具を多くの人たちに広げるには
どのようにしたらよいのでしょうか。近頃 は、表具教室がいろいろなところで開かれるようになりま
した。表具教室というのは人 に表具を知ってもらうひとつの機会ではないかと私は思います。
ところで、その表具教室が開かれるようになった理由は何なのでしょうか。それは、 表具に興味が
ある、表具の作業がおもしろいといった理由でしょうか。それとも、表具 が高価であるとか、できる
までに時間がかかるなどで、いっそのこと自分でやってみよ うというのが理由なのでしょうか。表具
師が減ってきている今、表具に興味を持ってく れる人が増えればと思います。
そして、表具師についても知ることができました。表具師になるためにはたくさんの経験と知識が
必要です。またそれを得るためには時間と努力が必要だと思います。昔の
表具師というのは、襖張りもやり、障子張りもやり、壁張りも、軸、巻物、屏風、額も すべてやりまし
た。今は昔と違ってそれらの仕事も個別に分かれ、それぞれ専門分化に なっています。それはな
ぜでしょうか。襖張りも障子張りも壁張りもすべての技術を身 につけるにはかなりの経験を積まな
ければならなく、一人前の表具師になるのがかなり 困難になるからでしょうか。表具やその道具は
時代とともに様々な変化そして発展をし てきました。私は、表具師もそれに伴い変化をしてきた来
たのではないかと思います。
こうして、
表具は時代の好みや特色を
色濃く反映しているのです。
私は、「表具」についての調べ学習を終えて、今まであまり自分とは関わりがないと 思っていた
表具を身近な物に感じることが出来ました。特に障子はただの仕切だと思っ ていましたが、光の
調節や室内の空気の清浄化を自然に行っていることを知り、とても 驚きました。表具は今まで、
それぞれの時代とともにさまざまな発展をしてきました。 最近の住宅からは表具の姿が薄れてき
ているので,これからもその時代に合った発展をし、少しずつでも普及してくればと思います。