秋田フキのたん生
 仁井田村(現在の秋田市仁井田)でさいばいされているフキには,アカフキ,ミズフキ,オオフキの三種類があります。この中のオオフキが,いっばんに秋田フキと呼ばれているもので,葉柄のまわりの長さが約5寸(約15センチメートル),長さが6・7尺(約百二十センチメートル〜二百センチメーール)で,葉の直径が5尺(150センチメートル)ぐらいあります。この秋田フキが仁井田村でさいばいされるようになったのは,天保末年のころです。そのころ,仁井田村に住んでいた熊谷惣蔵という人が,猟師が山から持ってきたフキの苗をもらつて植えたのが始まりだといわれています。
 また,ほかの言い伝えもあります。そのころ仁井田村に寺子屋を開いていた久保田藩士梅津織之助がほかの土地に移り住みました。ある冬の日,農家でフキの塩づけをごちそうになりました。そのフキの味がとてもおいしかったので,となりの家に住んでいて親しくしていた熊谷惣蔵一家へ南部領(今の大館市長木沢)産のフキの苗を,寒さのきびしい2月、三斗(約54リットル)入りの俵にいれて送りました。熊谷家では,大喜びでそのフキの苗をちょぞうし,雪が消えてから畑に植えました。しかし,たった2・3かぶしか根付きませんでした。この2・3かぶのフキを長い時間をかけて改良したり,ふやしたりして今の秋田フキができたといわれています。
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